新谷 雅老(しんたに まさろう)
高校時代から綴っている詩やエッセイを紹介しています。
  プロフィール→https://massaki.blog/archives/cat_53919.html


九を超えられないんだ
十に辿り着かないんだ

生まれてこの方
絶えず数を数えている
一から九までいっては
また一に戻っていく
一から九までいっては
また一を数えている

ずっと同じ繰り返しだ
いつもと同じ光景だ
何度やってみても
九から先には進めない
どんなに頑張ってみても
十の世界に届かない

だからぼくはいつも
一に戻ってやり直す
これが良いことなのか
実は無駄なことなのか
十を知らないぼくには
まったくもってわからない

九を超えられないんだ
十に辿り着かないんだ


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梅雨明けと前後して
それまで沈黙を守っていた
公園のクマゼミたちが
申し合わせたように
一斉にワシワシを始める。

立秋と前後して
それまで沈黙を守っていた
ツクツクボウシが
申し合わせたように
一斉に物語を始める。

お盆と前後して
それまで沈黙を守っていた
道ばたの虫たちが
申し合わせたように
一斉に鬼太郎を讃え始める。

お盆が過ぎてから
それまで沈黙を守っていた
中年以上の人たちが
申し合わせたように
体調不良を訴え始める。

夏休みが終わる頃
それまで外で騒いでいた
近所の子どもたちが
申し合わせたように
一斉に勉強部屋に隔離される。


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若い頃から
こういった文章を書いていたのだが、
二十歳のある時期に書いたものの中に
未来を予言している文章がいくつかある。
内容は実に身近なことが多く
親戚の人が離婚して戻って来るとか
福岡が水不足になるとかで、
特に人類が滅亡するなどといった
大それたことを予言しているわけではない。

その時は予言しているなんて思わなかった。
予言に気づいたのは数年経ってからで
その時はえらく驚いたものだ。
その後書いたものに予言を探したのだが
未来を予言している文章は
二十歳の頃に書いたものだけで
その後は能力が途絶えたらしく
過去や現実のことしか書いていない。

だけど、いつかまたやってくると思っている。
あの頃のように予言が出来るようになるってね。
その時にはきっと人類滅亡にまで
予言が及ぶことだろう。
実は、その手の予言が
一番簡単なんですけどね。


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「二つ目の角を曲がると急な坂がある。
確かにそれは近道だ。だから
皆そこで曲がって一気にその坂を
駆け登りたがるのだ。だけど
おまえはそこで曲がってはならない。
まっすぐ続いているこの道を
ゆっくり歩いて行くのだ」

「二つ目の角を曲がると
おまえのことだからきっと無理をして
疲れと悔いを残してしまうことだろう。
おまえのその性急な性格には一気ではなく
まっすぐゆっくりが一番合っているのだ。
そこが正解なのだ。遠回りなようだが
おまえにとってはそれが一番の近道なのだ」

というわけで
ぼくは今ここにいる。



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とりあえず
今日が休みだったことを
記しておく

早起きして
床屋に行ったことを
記しておく

その床屋で
ずいぶん待たされたことを
記しておく

その帰りに
スーパーに行ったことを
記しておく

スーパーで
カップラーメンを買ったことを
記しておく

そうそう
あんパンを二個買ったことも
記しておく

精算中に
仕事の電話がかかったことを
記しておく

家に帰って
蒸し暑さに窓を全開したことを
記しておく

そのとたんに
大雨が降り出したことを
記しておく

その雨が
全開の窓から降り込んできたことを
記しておく

昼飯を食べてから
何もすることがなかったことを
記しておく

仕方なく
ずっと昼寝していたことを
記しておく

せっかくの休みを
無駄に過ごしたと嘆いたことを
記しておく

 では・・・


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