2024年04月

近所の小さな山裾に
野生の藤が咲いている。
毎年見ている山なのに、
藤を見るのは初めてだ。
いや、もしかしたら、
藤棚の下だけに咲く花と、
勝手に思い込んでいたせいで、
気づかなかったのかもしれないな。

しかし何と力強い花なんだ。
その藤色が充分に存在を示し、
他を完全に圧倒している。
ここは小学生の頃に
友人が野糞を垂れた場所、
まさか友人の野糞が育てた
…そんなわけないか。
このエントリーをはてなブックマークに追加

 知人の家にリックという、オスのミニチュアダックスがいる。かなり前から飼っていて、人間の歳にするともう七十歳を超えているという。なるほど目は白内障になっていて、歩きもヨタヨタしている。

 ところがそのリック君、そんな体になってはいてもあちらの方は元気な様子で、何かにつかまっては必死に腰を振っている。それが原因なのだろうか、ヘルニアにもなっているという。

 そういえばこのリック君、ずっとお座敷で飼ってきたせいでメスとの接触がまったくなく、この歳まで童貞で通してきたらしい。そのせいかもしれないが、お気に入りの対象がちょっとずれている。

 申し訳ないけどリック君、ぼくの脚はメスではないんだよ。
このエントリーをはてなブックマークに追加

こうやって風が吹いて来るもんですから、
どうにも逃げられないわけですよ。
それが悪い風であろうとなかろうと、
ここから逃れることは出来ないわけですよ。
外に出れば目を開けておかなきゃならないし、
生きていれば息もしなきゃならない。
そんなこと考えないで生きていけたら、
ずいぶん気が楽なんでしょうがね。
それでも風は避けられない。
意識しようがするまいが、
風は確実に体を蝕んでいくわけですよ。
それもこれも、
こうやって風が吹いて来るもんですから、
どうにも逃げられないわけなんですよ。
このエントリーをはてなブックマークに追加


四十年ほど前になるかな
その頃住んでいた団地の最上階から
飛び降り自殺を図った男がいた。
団地は十三階建てだったので
もちろん即死で、あたりには
血糊など体内の諸々が散らばっており
落ちた場所には塩が撒かれていた。

男は市外に住む人間で、その当時
団地に住んでいた人たちとは
縁もゆかりもなかった。
それだけでも充分迷惑な話だが、
何と彼は今、その付近を
霊となって漂っているというのだ。
どれだけ人に迷惑をかけたらすむのだろう。

そういう奴だから、生きていた時にも
かなり人に迷惑をかけていたと思われる。
閻魔様は彼のような迷惑野郎に
どういう罰を下しているのだろう。
街の中を浮遊させるのは迷惑至極、
道路の脇に座らせるのも迷惑千万、
早くあの世に引き取って
二度とこの世に出さないでもらいたい。
このエントリーをはてなブックマークに追加

最近は星がよく見える。
物心ついた頃から、
あまり星を見た記憶がないのだが、
最近はやたらと星に目が行く。
空がきれいになったのも確かだが、
どうやら、
星を気にする歳になったらしい。
本当に星がよく見える。

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ