2024年07月

風の絵描きさんは
白い絵の具を集めて
青空のキャンパスに
一筆で画を描きあげる
描きあげては
一番目立つ所に
その画を展示する
すべての人が
鑑賞できるように
その画を展示する



空の絵描きさん

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ぼくにはね、何ヶ月か前から
足底何とかという炎症があってね
歩き始めが少し痛いんだよ。
だからゆっくり歩いてほしいんだな、
ベイビー

だけどゆっくり歩くことはいいことだよ。
新幹線だと見えない風景が
普通電車だと見えるように
物事がはっきりと見えるようになるんだよ、
ベイビー

だからね、悪いことは言わないから
ここはゆっくり歩くんだ。
ぼくが足の痛みをかばうように
ゆっくりゆっくり歩くんだよ、
ベイビー

そうこうしているうちに
ぼくの足底何とかの痛みも
きっとなくなっているはずだから
今はゆっくりと歩いてほしいんだな、
ベイビー



今はゆっくりと、ブギ
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おかあさんは猫のサークルに 
おとうさんは狸の飲みごとに
夜はだーれもおりませんです 
空しく灯がついてるだけです



お留守
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ぼくらはドラムのセットを抱え、
田んぼのあぜ道を歩いていた。
空には一片の雲もなく、
午後の日差しが頭をめがけ、
容赦無しに降り注ぐ。

ジージーワシワシ樹木の蝉と、
ギーギーギッチョン草むらの虫が、
だらしい暑さのリズムを刻む。
ドラムを持つ手はふさがって、
顔の汗さえぬぐえない。

風がないから汗は乾かず、
ポタリポタリとしたたり落ちる。
気がつきゃ汗はスティックよろしく、
スネアの腹を叩いてる。
ツマランタタンと叩いてる。

卒業後の進路のこととか、
それを踏まえた勉強だとか、
そんなものには関心もなく、
ぼくらはだらしくツマランタタンと、
田んぼの中を歩いていた。



最後の夏休み.png
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大山椒魚のような形をした
真っ黒で巨大な雲がゆっくりと
ゆっくりと東に向かっている。
ああ、こりゃまた雨が降るな。
ぼくは心の中のスクリーンに
すでに雨を降らせている。
と思う間もなく車の窓に
一個二個三個、大粒の雨が
ぶち当たる。ぶち当たる。
四個五個六個、そして無数
何度も何度もぶち当たる。
雨は窓に当たって砕け
バチバチという雨音に乗って
車体は左右に揺れている。



また雨だ
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