『春一番』を作ってから二ヶ月後、ぼくは生まれて初めて恋愛詩を書いたのだが、ギクシャクして何かまとまりがなかった。この『暗闇の向こう』は恋愛詩第二弾ということになる。
夜になると、二階にあるぼくの部屋から、いつも遠くにある街の灯りを眺めていた。その街には、当時ぼくが好きだった人が住んでいたのだ。
暗闇の向こう
暗闇の向こうに君がいる
月も出てない夜だけど
君がいるのがわかる
暗闇の向こうに君がいる
夜はすべてを隠し
冷たい壁が君を包む
暗闇の向こうに君がいる
ふと気づくと後ろにぼくがいる
大きな影がぼくを惑わし
たしかに今が夜だ
暗闇の向こうに君がいる
何も見えないけど誰かが呼んでいる
暗闇の向こうに君がいる
月も出てない夜だけど
君がいるのがわかる
暗闇の向こうに君がいる
実はこの詩はまだ長かったのだが、いろんな矛盾が見えていた。何度も書き直したが、うまくできない。ということで、その部分はカットした。ただ、そのカットした中に、
暗闇の向こうに君がいる、
いつか聴いた歌が流れてる
という部分があったのだが、そのいつか聴いた歌が、次に作る歌のヒントになったのだった。
ちなみに、現在その「暗闇の君」が住んでいる街は、ぼくの住む街からだと、小高い丘の向こうに隠れていて、昼も夜も街の灯りすら見えません。つまり今も君は暗闇の向こうにいるのです。
コメント