魏国を出発した調査員は、九州にたどり着いた。
 彼は、そこの住民に尋ねた。
「ここはなんという国であるか?」
「国だと?そげなもんなか」
「ここは国ではないのか。では、何という地名であるか?」
「ここか、ここはヤマトたい!」
 住民が早口で言ったため、彼には『ト』の音が聞き取れなかった。
「えっ、ヤマッタイ?」
「そうたい!」
 彼は聞こえるままに
『邪馬台』と記し、『国』を書き加えた。