カテゴリ: ノート

雲を脱ぎ捨てた太陽が
体を焦がしにくるので
今日の夏は疲れます。

不快指数を上げる風が
肌にまとわりつくので
今日の夏は疲れます。

頭から流れる汗の粒が
角膜を覆って痛いので
今日の夏は疲れます。

街に漂う焼肉の臭いが
鼻の中にはびこるので
今日の夏は疲れます。

昼夜途絶えぬ蝉の声が
耳の中で鳴り響くので
今日の夏は疲れます。

冷房風が体にぶつかり
首の凝りをさそうので
今日の夏は疲れます。

兎にも角にも夏全体が
暑くまとわりつくので
今日の夏は疲れます。


夏.png

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とぼとぼと牧師が行く。
すり足の和尚が行く。
鳥歩きの神主が行く。
背の低いラーメン屋が行く。
禿げ上がった寿司屋が行く。
オール電化の電器屋が行く。

ヘビーメタルの男が行く。
股旅演歌の女が行く。
内股のサバ少年が行く。
外股のカニ少女が行く。
急ぎ足の音楽教師が行く。
ツーステップの歌劇団が行く。

四股を踏んで力士が行く。
ウサギ跳びのコーチが行く。
ガラガラと兄ちゃんが行く。
ゴロゴロと姉ちゃんが行く。
愛を求めた男が行く。
勘違い愛の女が行く。

伝線した黒脚女が行く。
眉のない茶髪女が行く。
鉄菱を踏んだ忍者が行く。
一輪車の宇宙人が行く。
二輪車の老斑じじいが行く。
三輪車の法令線ばばあが行く。

人慣れした河童が行く。
サバ目した人魚が行く。
退化した天狗が行く。
お稲荷さんが行く。
化けそこなった狸が行く。
憑依出来ない浮遊霊が行く。

やせ細った野良犬が行く。
肉付きのいい野良猫が行く。
無口なインコが行く。
馴れ合いの文官が行く。
くたびれた武官が行く。
がんばれ日本が行く。



パレード
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海原に白く見えるのは
波であり、鳥であり
遠くを行く船の色であり
窓に反射する光であり
異国からの便りであり
小人の島の灯台であり
ボートであり、ブイであり
時に跳ねる魚であり
小さなイカの群れであり
気化された潮の精であり
この季節の日差しであり
生きていくための糧であり
夢であり、希望であり
喜びの雄叫びである。



海原
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百回の苦しみは
百倍の優しさに変わる

百回の痛みは
百倍の喜びに変わる

百回の憎しみは
百倍の愛に変わる

百回の悲しみは
百倍の創造に変わる

百回の失敗は
百倍の成功に変わる

百回の行動は
百倍の財産に変わる

百回の想像は
百倍の現実に変わる

百回の大丈夫は
百倍の勇気に変わる

百回の感謝は
百倍の幸福に変わる

百回の嫌な思いは
百倍のいい思い出に変わる


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通り雨、犬といっしょに
夏、背中を濡らし
大きな雲が頭の上を
黒く塗りつぶす

息を詰まらす
俄かな夜の中を
走ってきた雲が光を放ち
大地を震わす

 ついさっきまでの太陽の中
 ぼくは影を落とし
 座り込んでの手探りの中
 もう戻ってはこない

通り雨、ぼくと似た人が
黒い喪服を濡らし
降り続く雨はまた轟々と
影を塗りつぶす

      (1976年8月作)


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