カテゴリ: フォーク



ためいき
さりげないためいきやめて
今日から真面目にやっていくんだ
昨日吐いたあの言葉に
嘘や偽りはないんだから

そしていつか見返してやるんだ
あいつも、あいつも、みんなまとめて
あの日のぼくは正しかったんだと
それがぼくの人生だったと

 もう振り返らない 風は追い風だ
 尽きることはない
 もしもつまずくことがあったとしても
 明日のための布石なんだ

疲れたふりなんかやめて
今日から素直に生きていくんだ
ほら明日が笑っているよ
その日の自分が手招きしている

 もう振り返らない 風は追い風だ
 尽きることはない
 もしもつまずくことがあったとしても
 明日のための布石なんだ

さりげないためいきやめて
今日から真面目にやっていくんだ
昨日吐いたあの言葉に
嘘や偽りはないんだから




1,
 48歳の時、ぼくの所属していた部署が閉鎖になった。ぼくは専門職で雇われていたため、つぶしが効かないと判断され、リストラの対象となり、そのまま会社を退職することになった。
 それからおよそ一年間、表向きには失業保険をもらいながら、ハローワーク通いをやっていたのだが、その裏では充分に時間が取れるので、『こんなチャンスはない』と思って、エッセイを書いたり、詩を作ったり、歌を作ったりしていたのだった。仕事のない不安や焦りなど一切なく、前向きに生きていたのだった。

2,
 会社を辞める前に、会社側はぼくを自主退職させようとして、色々な工作を仕掛けてきました。この歌は、その時の憤りを詩にして曲を付けたものです。
 この歌を書いてから後は、「所詮その程度の会社だったんだ。辞めて正解だった」と思うようになり、不思議と気持ちも安定し、前述の通り前向きになることが出来たのでした。

3,
 詩の中の「布石」ですが、何も言葉が思い浮かばなかったので、『あしたのジョー』のセリフに出てくる言葉を使わせてもらいました。

4,
 この曲はSoundCloudにも投稿しているのですが、予想外に再生回数が多く、ちょっとビックリしています。聴いてくれている多くの人が海外の方で、この歌詞をどう捉えているのだろうと思っています。 IMG_0986
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風に乗った恋が
小さな絵日記、書き綴る
夢のような幻に
時のキネマは過ぎて行く
  君を待ってたこの三叉路で
  少し汚れた口笛を吹く

君にあげた恋が
いくつもの綾を織りなして
小さな気球作る
ほら、どこか遠くへ飛んで行った
  君と歩いたこの三叉路で
  少し汚れた口笛を吹く

歌を忘れた恋が
小さな絵日記、書き綴る
少しゆがんだ顔に
君の想い出織り込みながら
  君を忘れたこの三叉路で
  少し汚れた口笛を吹く


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頭の中は眠たさで一杯
徹夜だったのです
あくびは限りなく出るし
目は真っ赤なのでしょう
朝の風に打たれてこよう
これが一番でしょう。

太陽の光はまだ見えないけど
空は明るくなっていきます
初夏だというのに朝はまだ寒く
厚着をしています
「朝の風に打たれてこい」
父のよく言った言葉です

新しい風を腹一杯に吸い込む
いい気持ちです
自然のことなのでしょう
冷たい風がおしっこを誘うのは
朝の風に打たれてみて
とても満足です。


高校3年(1975年)のちょうどこの時期、中間テストの勉強(一夜漬け)をしていた時に作った詩です。朝の詩に絡めて載せてみました。

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雨の降る夜はたった一人で
蚊取り線香の光を見つめて
蛙といっしょに歌をうたうと
見知らぬ人が傘をさして通り過ぎる
 街は濡れ、人は濡れ
 辺りは変わり、色も濃く
遠くの船の音に魅かれて
異国の町に立っているような

いま、雲の隙間を星が
瞬きより速く過ぎていった
声を落としてギターはなく
耳を澄まして人はなく
 街は濡れ、人は濡れ
 辺りは変わり、色も濃く
寂しい雨の寂しい歌?
ううん楽しい、楽しい雨の歌


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1,
 福岡県に水巻という町がある。その昔は炭鉱町だったが、今は北九州市のベッドタウンになっている町だ。
 その水巻町に、『月夜待』という名の交差点がある。場所はJR東水巻駅(福北ゆたか線)の上にある。
 なんで上なのかというと、線路と道路が立体交差していて、道路が上を走っているためで、この交差点は駅の上を数メートル西に寄ったところにある。

 ぼくがこの交差点を知ったのは19歳の頃、当時やっていた運送会社のバイトでそこを通った時だった。
 運転手さん人に、
「あれ、何と読むんですか?」と聞いたら、
「つきよまち」と教えてくれた。
 ロマンチックな名前だなと思い、その時からいつかこの『月夜待』をテーマにした歌を作りたいと思っていた。

 それが出来たのが25歳、高校時代から好きだった人の結婚を聞いた時だった。本当ならこの名前のようにロマンチックな歌にしたかったのだが、結局は失恋の歌になってしまった。

2,
月夜待
君に逢えれば こんなことだって
忘れられると 思ったものさ
笑い話に 君のことを
歌ったことも 昔のことさ

夢はいつも 美しいもので
しあわせそうな 二つの影を
映し出しては 消えていった
あこがれては 思い悩み

 つきよまちから 二つの道を
 選ぶいとまが 君との川で

流れては 遠くなる恋を
見つめては しあわせなんか
こんなおれに くるもんかと
つぶやきながら あおる酒よ

 つきよまちから 二つの道が
 出逢うところで 君を夢見た

いつか知らず 時は過ぎていった
君に逢えるのは 夢の中だけと
つきよまちに かすかに浮かぶ
月を見ては 君を想う


3,
 この曲が浮かんだのは会社帰りに、駅から自転車で家に向かっている途中だった。曲を忘れまいとして、そこからダッシュで帰ったのだった。
 家に帰ってから、さっそくラジカセに録音した。その後、すぐに詩に取り組んだのだが、五分で出来てしまった。しかも、この詩は作った時のままで、その後一切修正を加えてない。きっと自分の中で熟成していたのだろう。

4,
 この歌を作った当初、ぼくは失恋のこともあって、この歌をまったく評価してなかった。ところが、友人が「月夜待という歌、けっこういいね」と言いだした。そして仲間内でちょっと話題になった。それに気をよくしたぼくは、それから数年後に、この歌をレコード会社に売り込んだ。しかし、聴いてくれたのかどうかわからないまま、うやむやになってしまった。その後も、ことあるたびに、レコード会社や明太子屋に、この歌を売り込んでみたのだが、やはりダメだった。

5,
 しかし、どうしてここを『月夜待』と言うのだろう。その辺に住んでいる友人にそのことを聞いてみたのだが、「知らん」と言う。前の会社の上司もその辺に住んでいるので聞いてみたが、やはり「知らん」と言われた。
 まさか炭鉱繋がりで、「月が出た出た、月が出た」の炭坑節と何か繋がりがあるのだろうか。そうだとしたら嫌だな。この地名の持つムードが壊れてしまう。
 ぼくとしては、夏目漱石が言うところの「月が綺麗ですね」の月であってほしい。

 ※なお、この詩の『月夜待』と実際の『月夜待』は、地理上若干の違いがあります。歌詞を優先にしたためです。悪しからず。
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