裁判所に行った。
7月2日の日記に書いたK楽器倒産の件で、裁判所が債権届出書を提出しろと言ってきたのだ。
裁判所に行くのは初めてだった。
だいたいの場所は知っていたのだが、どの建物が裁判所なのかは知らなかった。
最初に「ここだろう」と車を突っ込んだ所は、なんと拘置所だった。
裁判所は隣の建物だった。
車を停め、裁判所の中に入ったのは12時半だった。
受付には誰もおらず、どこに行っていいのかわからなかった。
とりあえず、どこに行ったらいいのかを聞こうと思って入口近くの部屋に入った。
その部屋にはたくさんの職員がいたが、ぼくのことは無視であった。みんな談笑していたから、こちらから声もかけにくい。
2,3分そこにボーっと立っていたら、ようやく女性の職員が声をかけてきた。
「何ですか?」
「いや、書類を提出してくれという通知が着たので、持って来たのですが」と言うと、「ああ、それは3階です。そちらに行って下さい」と迷惑そうな顔をされた。
最近は区役所でも12時台の受付をやっている。
ぼくが知っている範囲で、その時間帯に受付をしないのは職業安定所ぐらいだが、それでもちゃんと“昼休み12~13時”とか“13時から受付けいたします”ぐらいは書いている。
ここはその表示がない。
迷惑顔の職員も、「13時までは休憩ですから、その時間に行って下さい」などとは一言も言わなかった。
それに普通、知らない人が部屋に入ってきたら、すぐに「何か御用ですか?」ぐらいは聞くはずだが、それもない。
弁護士などの関係者以外で、裁判所にしょっちゅう行く人なんか多くはいないだろう。
おそらく、裁判所は初めてという人のほうが多いはずだ。
そういう人のために、ちゃんと休憩時間を表示し、もっと機敏に応対するのが最低のルールではないだろうか。
職員の休憩後、3階の破産係というところで手続きをした。
担当の人は、先ほどの人たちとは逆で、親切にいろいろと教えてくれた。
言葉尻から、損害額の返済は期待しないほうがいい、というのがわかった。
債権者集会が来月行われるから、言いたいこと聞きたいことがあれば来てくれ、と言っていた。が、倒産したK楽器の経営者は、暴力団関係からも金を借りていたらしく、おそらく姿をあらわすことはないだろうということだった。
ぼくとしては行く気はない。
最初の応対の悪さで頭に来ていたのと、トイレに行く時に見た、第○法廷室とか傍聴席入口などと、部屋の入口に書かれていたのを見てあまりいい気持ちはしなかったからだ。
「もう二度と来ることはないだろうな」と思いながら、裁判所を後にした。