今日は早く日記を終わらせて、早く寝ることにしよう。
実は今日、午前3時まで日記を書いていたのがたたったらしく、売場でつい居眠りをしてしまった。
ところが、それをお客さんが見ていたらしく、ぼくに「あんたいいねえ。ここは居眠りする暇があるんやね」と皮肉を言ってきた。
ぼくはカッと目を見開いて、「いいえ、居眠りはしていません。目を瞑っていただけです」とゆっくりと悪びれずに答えた。
ぼくがあまりに堂々と言ったので、相手は「ああ、すいませんでした」と謝って立ち去って行った。
居眠りは得意だった。
小学生の時は、おしゃべりが忙しくて授業中に居眠りするようなことはなかったが、あまりしゃべらなくなった中学の頃は、しょっちゅう居眠りしていた。
そのつど見つかって叱られていたが、そのうち要領を得るようになり、いかにも授業を聞いているような寝方をマスターしていった。
右手でエンピツを持ち、ノートをとっているように見せ、左手で考える人のようにひじをつき、手でおでこを支えるようなポーズをとる。
視線の先に教科書がくるようにした。
傍から見れば「教科書を見ながら考えてノートをとっている図」になる。
この方法を見つけてからは、先生に見つかって叱られるようなことはなくなった。
しかし授業を聞いてないので、「じゃあ、今習ったところの小テストを行う」と言われると焦った。
授業を聞いても、教科書を読んでもないのだから、まったくわからない。
結局居残りさせられて、いつも「お前は真面目に机に向かっとるように見えるが、集中力がないんかのう」と小言を言われた。
当然、この小テストの延長にある中間・期末のテストの点はよくなかった。
高校に入ってからは、そんな小細工をやめ、堂々と居眠りするようになった。
2時間続けて数学がある時などは、2時間続けて居眠りをしていた。
先生も起きていたらうざいと思ったのか、そっと寝させてくれた。
同じ2年の頃、教壇の前の机、つまり前列の真ん中の奴が、リーダーの時間に居眠りをしていたことがある。
この位置は盲点なのか、居眠りしても見つかることはめったにない。
ぼくもこの位置に座っていたことがあるが、やはり見つからなかった。
しかし、ラグビー部顧問のこのリーダーの先生はそれを見逃さなかった。
突然、大声で「ばっかもーん」と言い、出席簿でそいつの頭を力いっぱい叩きつけた。
叩かれた本人は、何があったのかわからなかったらしく、寝ぼけ眼で周りをキョロキョロ見回していた。
その間抜け顔は今でもしっかりと覚えている。
さて、今日はあまりにも眠たかったので、「これではいかん」と思い、バックヤードで少し寝ることにした。
しかし、「さあ、寝るぞ!」と構えるとなかなか眠れない。
結局寝ないまま、また売場に戻った。
売場に戻ると、また眠たくなった。
こんなもんですね。