真珠湾攻撃からもう60年がたつ。
アメリカのメディアでは、相変わらず「同時多発テロ」と「真珠湾攻撃」の比較報道が行われているようだ。
何度も言っているが、「同時多発テロ」は文字通り「テロ」なのであり、正規の戦争だった「真珠湾攻撃」とはその発想も質も違う。
そのへんを彼らはわかってないのだ。
いや、わかろうとしないのだ。
アメリカ人的な捉え方をすれば、「東京大空襲」と「地下鉄サリン事件」は同じものである、ということになるじゃないか。
もし、日本のメディアがこういう報道をしたとすれば、アメリカはさっそく抗議をしてくるに違いない。
なぜ彼らは、先の戦争をこういうふうにしか捉えられないのだろうか?
ぼくはそれをアメリカの医療ミスのせいだと思っている。
当時アメリカは日本を「悪性の腫瘍」だと思っていたのだ。
つまり彼らにとって日本とは、アジア進出を邪魔する「腫瘍」だったのだ。
それも悪性の。
別に日本としてはアメリカに敵対しようとは思ってなかった。
しかし、アメリカは自分たちの都合で診断した「悪性の腫瘍」を切除しようと望み、そのための準備を綿密に行った。
「腫瘍」を切除することで、彼らは健康を取り戻せると思っていたのだ。
執ように「腫瘍」を刺激し、ついに手術は始まった。
3年半以上に及ぶ大手術だった。
結果はご存知の通り、大成功だった。
そして彼らは、その患部に2度と再発しないように薬を投与した。
そのおかげで、今のところは再発は認められない。
しかし、それは大いなる誤診だったのだ。
というのは、「悪性」だとばかり思っていた日本は、実は「良性だったのだ。
「悪性」は他のところにあった。
その「悪性」をけん制していた「良性」を切り取ったことで、「腫瘍」のバランスは完全に崩れ、ついに「悪性腫瘍」の進行は早まった。
「悪性腫瘍」、そう「共産主義」である。
この人類史上最悪のカルト思想は、地球の半分を席巻した。
その治療にアメリカは50年の歳月を費やした。
しかしそれは、いまだ根絶したわけではない。
かつて彼らが健康の根源だと思っていた地域、つまり中国に巣食ってしまった「悪性腫瘍」はなかなか治療できないでいる。
さらに困ったことに、かつては「良性腫瘍」だった日本にも、「悪性腫瘍」が飛び火してしまっている。
これらの「悪性腫瘍」たちは、時にアメリカと同調するから始末が悪い。
そんな中、今また新たな「腫瘍」と戦わなければならない。
このために、彼らの健康は脅かされるばかりだ。
彼らは気づいているのだ。
戦前の日本こそが、アメリカが頼れる本当の意味のパートナーだということを。
当時日本ほど人種差別撤廃を訴え、アジア諸国の独立を思い、共産主義と真剣に取り組んでいる国はなかった。
もしそんな日本にアジアを任せていたら、朝鮮動乱も、ベトナム戦争も起こることはなかっただろう。
中東問題にしても、まったく違った形のものになっていただろう。
今のアジア情勢は、すべておせっかいな白人介入が招いたものだ。
アメリカは「すべては誤りだった。もしここに、戦前の日本があったらこんな状況にはならなかっただろうに」と潜在的には思っているだろう。
しかし、彼らのプライドはその過ちを認めようとはしない。
それを認めることは、アメリカの全歴史を否定することになるからだ。
だから、彼らは今でも日本を悪人にするのだ。
つまり、後悔を隠すための強がりである。