頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

ショート・ショート

[その1]
大物で思い出したが、中学2年の時のことである。
国語の授業で、「大きな人」という話になった。
先生が、「どんな人を“大きな人”というか?」と言って、中井という奴をあてた。
「中井の知っとる大きな人を言うてみ」
中井はすかさず、「ジャイアント馬場」と答えた。
「いや、そういう意味の大きな人じゃなくて、人間的に大きな人がおるやろうが」
中井はいっとき黙っていたが、先生がしつこく「中井、答えんか」などと言うのでパニくってしまい、早口で「モンスター・ロシモフ(後のアンドレ・ザ・ジャイアント)」と言い捨てて、座った。
先生は「モンスター・ロシモフ」を知らなかったのか、中井が座った後に、「おう、そういう人やのう」と言っていた。
ぼくらは小声で言い合っていた。
「変わらんやん」


[その2]
モリタ君(エッセイ参照)登場である。
ある日のこと、モリタ君がいつものように遅刻をしてきた。
その日来たのは午後2時ごろであった。
ぼくが「また、あんた遅刻か。今日は何で遅れたんね」と聞くと、モリタ君は下を向いて「ね、熱が出ました」と答えた。
「熱がでたあ?いったい何度あったんね」
モリタ君は目をキョロキョロさせながら、憮然として言った。
「29度です!」
「え、29度!?」
「はい、29度です」
「ほんとに29度やったんやね」
「はい!」
「・・・、あんたは爬虫類か?」


[その3]
前の会社にいた頃、ちょっと変わったおっさんが、毎日のように来ていた。
目が小さく、すごい出っ歯であった。
いつも、小さな声でぶつぶつと独り言を言っている。
お客を接客していると、わざわざ横に来て、こちらの顔を覗き込む。
バイクの免許も持ってないくせに、フルフェイスのバイクのヘルメットをかぶり店の中を歩きまわる。
・・・など、店にとっては大変迷惑なおっさんであった。
いつだったか、こんなことがあった。
いつものように、ヘルメットをかぶっておっさんが登場した。
しかし、その日は服装が違っていた。
なんと、ヘビメタの革ジャンを着込んでいるのだ。
そして、変に肩を怒らせて歩いている。
周りを見回しては、「ガー」などと言って威嚇している。
ぼくたちは、「相変わらずバカやのう」などと言い合っていた。
一人の小学生がおっさんを見ていた。
それが気に入らなかったのか、おっさんは小学生に駆け寄って行った。
そして、その小学生に向かって何か言っていた。
小学生は「ばーか」と言って、こちらに逃げてきた。
ぼくが「どうしたんね」と聴くと、「あのおいちゃんが、黒い手帳を見せて『逮捕する!』と言った」と答えた。
「手帳?」
「うん、『西部警察手帳』やった」