頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

大人を逃げていませんか?

最近、テレビで「大人を逃げていませんか?」という公共広告機構のメッセージが流れている。
子供に対して、何も注意しない大人が増えているのは確かだが、考えてみたら、大人が子供を注意しないのは、別に子供を恐れているのではなく、その後ろにいる親を気にしているのだ。
彼らは実にうるさい。
どんな悪いことをしても、自分の子は正しいと思っている。
他人の介入を一切許さない。
口では体罰を認めても、自分の子は別だと思っている。
悪くすると、裁判沙汰になる。
結局、「こんな親を持つ子供に、誰が関わるか!」ということになる。

前の店にいた時のこと。
ぼくの部門は2階にあった。
そこには1階から上がってくるエスカレーターがあったのだが、そこを子供たちが駆け下りるのだ。
ほとんど毎日のことだった。
おそらく、親は下で買い物をしているんだろう。
もしこれで事故でもあった場合は、当然のように店が責任を問われる。
怪我でもされたら、賠償金ものである。
しかし、問題はそういうことではない。
下手をすれば、大怪我をするかもしれないのだ。
怪我をして一番困るのは、怪我をした子供本人じゃないか。
それを教えるのが、大人の務めである。

そう思ったぼくは、駆け下りる子供を見つけるたびに注意していた。
最初は「そこで遊んだら危ないよ」だったが、そんな優しい言い方をしても子供たちは聞かない。
「だって、ここ下りのエスカレーターがないやん」
生意気である。
そこで、ぼくは怒鳴ることにした。
「こらー、どこを駆け下りよるんか!!」
「ここで遊んだら、死ぬぞ!!」
効果覿面だった。
駆け下りていた子も、途中で下りることをやめ、2階まで上がってくる。
そして、すごすごと階段を下りていくのだ。
しかし、また別の子が同じことをやっている。
そこでまた怒鳴り上げる。
その繰り返しだった。
親がいても関係ない。
注意しないほうが悪いのだ。
ぼくは、どんどん怒鳴ってやった。

ある時、小学校の社会見学で、団体の小学生が2階に上がってきたことがある。
先生がいるから大丈夫だろうと安心していたのだが、子供たちは相変わらず駆け下りをやっている。
そういう場合、ぼくは先生が注意するものと思っていた。
しかし、先生は何も言わない。
ただヘラヘラと笑っているだけである。
カッとしたぼくは、いつも以上に声を張り上げ、「こらー、そこで遊ぶな!!」と怒鳴った。
その時、先生が言った言葉に呆れてしまった。
「ははは、ほーら怒られたやろうが」、だった。
『あんたたちは、引率者やないか。何をノー天気なことを言いよるんか。怪我をされて困るのは自分たちやないんか!』
ぼくは、この言葉がのどまで出かかったが、言うのをやめた。
こんな奴らに何を言ってもだめだ、と思ったからである。

ところで今日、うちのパートさんから胸のすく話を聞いた。
バスに乗った時のこと。
バスの中で、子供が騒いでいたらしい。
その子の母親は、周囲への建前から、「運転手さんに叱られるから、静かにしなさい」と注意した。
すると、それを聞いた運転手さんは、マイクで「叱るのは親の仕事でしょ」と言ったらしい。
母親は、真っ赤な顔をしていたという。

店で子供が騒いでいたりすると、母親やばあさんがこちらを見て、「ほら、静かにしないと、おじちゃんに叱られるよぉ」などと言っている。
よくよく考えてみると、おじちゃんが悪者になっているのだ。
悪者逃れをしている悪者は、あんたたちでしょうが!