頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

後輩の話

どうも、胸に引っかかるものがある。
一昨日書いた、ストリップ小屋に勇んで行った後輩のことである。
彼について、これだけは書くまいと思っていたことがある。
しかし、このまま流してしまうと胸のつかえが取れない。
ということで、やはり書いておくことにする。

沖縄に行った時、その後輩は、まだ20歳を過ぎたばかりの小僧だった。
彼が沖縄に行ってまでストリップ小屋に固持したのには、理由がある。
それは、彼がまだ童貞だったということだ。
彼は背が低く、幼い顔をしていた。
一般的にこういうタイプは、年上の女性に可愛がられると思うのだが、彼の場合は縁がなかったのだろう。
彼は口を開くと、いつも「女、女」と言っていた。
そんな女性への憧れから、彼はストリップ小屋に行きたかったのだと思う。

その当時から、彼は地元のストリップ小屋に入り浸りだったと聞く。
別にそんな所に行って発散しなくてもよさそうなものなのに、と思ったのだが、彼なりの考えがあったのだろう。

しかし、寂しい男である。
彼は高校を卒業して、すぐにうちの会社(当時の)に入社した。
普通は同僚や先輩女性に目が行くのだが、彼は違った。
彼の目はいつも外に向いていたのだ。
彼は最初から、飲み屋のホステス、ストリップのダンサーといった、いわゆる玄人が好きだった。
当然、金を持ってない彼は相手にされなかった。
しかし、彼はくじけなかった。
何度も何度も、そういう場所に足を運んだのだった。
会社には独身の女子社員が多数いたのに、なぜ彼はそちらのほうに目を向けなかったのだろうか?
もしかしたら、自分は女性にもてないと思っていたのかもしれないが、それでも最初から諦めるのではなく、少しは努力も必要だったのではないのだろうか?
とにかく、かなり長い間、彼には彼女がいなかった。

そういう彼にも、ついに春がやってきた。
ぼくが会社を辞める少し前の話である。
「あいつ、とうとう女が出来たらしいぞ」、という噂が社内を駆け巡った。
ぼくはさっそく、彼のいる部門の人間に真偽を確かめたが、彼女が出来たのはどうやら事実らしかった。
「相手はかなりきれいらしいよ」
「へー、あいつもやるねえ。でも、よかったやん。長いこと待った甲斐があったねえ」
「でもねえ、相手は日本人やないんよ」
「えっ!?」
相手はフィリピーナだった。
彼は彼女に、かなり入れ込んでいたようだ。
おそらく貢いだりもしていたのだろう。
ま、しかし、彼女には違いない。
その時は素直に喜ぶことにした。

ところが後日、意外な事実が発覚したのだ。
本来なら、それは笑うべきことである。
しかし、それを聞いたときは、ぼくは笑いを通り超えて、彼に哀れみを感じた。
その事実とは、
彼が本気に好きになり、彼が真剣に入れ込んできた、きれいなフィリピーナ、というのは、実は女性ではなかった、ということである。
彼女はニューハーフだったのだ。
そのことを知った後輩は、かなり悩んでいたらしい。
彼女(?)も本気だったらしい。
しかし、結局はわかれたという。

その後の彼を、ぼくは知らない。
もう30歳は越えていると思うが、果たして無事に童貞は捨てられたのだろうか?

よし書いたぞ。
これで、すっとした。