ソノちゃんが冷蔵庫を売った時の話。
お客さん「この黒い冷蔵庫下さい」
ソノちゃん「はい、黒い冷蔵庫ですね」
お客「いつ持って来てくれるかね」
ソノ「ご都合のいい時でいいですよ」
お客「じゃあ、明日持ってきてもらおうか」
翌日
係「ソノさん、昨日買ったお客さんから電話ですよ」
ソノ「もしもーし、お電話替わりましたが」
お客「あ、ソノさんですか。昨日の冷蔵庫を届けてもらったんだけど、白い冷蔵庫が来とるよ」
ソノ「お客さんは白と言わんかったですかねえ」
お客「黒と言ったでしょうが」
ソノ「あ、そうやったですねえ。配達が間違えたかのう。すぐに交換に伺います」
お客「今日はもう都合が悪いから、明日持ってきて」
ソノ「はい、わかりました」
お客「黒ですからね。今度は間違えんで下さいよ」
ソノ「わかりました」
その翌日
係「ソノさーん、あのお客さんから電話」
ソノ「今度は何かのう」
係「さあ?」
ソノ「あ、もしもーし」
お客「ソノさんかね」
ソノ「はい。どうしました?」
お客「昨日あれだけ言ったでしょうが」
ソノ「は?」
お客「今日も白い冷蔵庫じゃないですか」
ソノ「おかしいのう。それはすいません。すぐに取替えに行きます」
お客「お願いしますよ。今度は間違えんでね」
ソノ「今度は自分が行くけ、間違えませんよ」
お客「お願いします」
お客宅
ソノ「こんにちはー」
お客「今度は間違えんで持って来たでしょうね」
ソノ「今度は大丈夫です」
ソノちゃんが冷蔵庫を箱から出すと、そこにはまた白い冷蔵庫があった。
ソノ「おかしいのう」
お客「また白じゃないですか」
ソノ「会社に帰って、取り替えてきます」
お客「もういいです。ソノさん、あんたには負けました」
以前勤めていた会社では、毎月特定の商品の販売キャンペーンをやっていた。
週に一度、決行日というのがあった。
リーダーが全員の前に出て、「申告しまーす。しろげ隊は本日、テレビを100万円売ることを誓います。○○年○月○日、しろげ隊リーダー、しろげしんた!!」というふうに申告する。
昭和61年のことだった。
たしかテレビか何かのキャンペーンの時だったと思うが、ぼくたちのリーダーがソノさんだったことがある。
朝、いつものように申告式があった。
次々と申告を終えて、ソノさんの番だった。
「申告しまーす」と甲高い声が響いた。
「ソノ隊は本日、テレビを○○万円売ることを誓います」
ここまではつまずかずにいった。
「昭和47年○月○日」
全員がざわめいた。
「ソノさん、違う。昭和61年やろ」
「あ、そうやったかのう」
店長が、「ソノ君、やり直しなさい」と言った。
再び、ソノさんの申告が始まった。
「申告しまーす。・・・を誓います。昭和47年・・・」
まただ。
場内は爆笑になった。
店長が「ソノ君、今年は昭和何年かね」と聞くと、ソノさんは「昭和61年です」と答えた。
「ちゃんとわかってるじゃないか。もう一度やり直し!」
またソノさんの申告が始まった。
「申告しまーす。・・・を誓います。昭和47年・・・」
店長は呆れ果てて、「ソノ君、君は昭和47年に何かあったのかね」と聞いた。
ソノさんは、「いや、何もないですけど」と言った。
店長「何もないなら、3度も間違えるわけがないだろ。さあ、みんなの前で何があったか発表しなさい」
ソノ「いやー、本当に何もありません」
店長「本当に何もないんだね」
ソノ「はい」
店長「じゃあ、もう一度」
ソノ「申告しまーす。・・・を誓います。昭和四十、あっ、61年・・・」
店長「やっぱり何かあるんだね。後で事務所に来て、昭和47年に何があったかをぼくに教えなさい」
ソノ「はあ・・・」
ソノさんはぼくの顔を見て、「しんた君、おれはどうして『昭和47年』と言うたかのう」と、顔を真っ赤にして言った。
「知るか!」