頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

暇な一日

何気なく鼻の下を触っていたら、一本の鼻毛が指に触れた。
「後で切ろう」と思い、鼻の中に押し入れおいた。
ところがすぐに下に降りて来た。
何度かこの作業を繰り返してみたが、埒が明かない。
その都度、鼻毛は反発するようにお目見えする。
そこでついに「今ここで切ってしまおう」と思いたった。
ところが、運悪く身近にハサミが見当たらない。

たかだか一本のことだから、切ることが出来ないのなら抜けばいいじゃかと思うだろう。
が、ぼくの場合「抜く」という行為が問題なのだ。
元々鼻の中の皮膚が強いほうではないぼくは、過去に鼻毛を抜いて炎症を起こたことが何度もある。
そのため、気になる鼻毛があっても、いつもその記憶が蘇り、抜くことを躊躇してしまうのだ。

とはいうものの、このしつこい鼻毛だけは退治しないと気が済まない。
そこで、恐怖心を振り払って抜くことにした。
幸い周りには誰もいない。
鼻からはみ出した鼻毛を指で摘み、一気に引き抜いた。
「!!!」
引き抜いた鼻毛を見て、ぼくは驚いてしまった。
どう見ても3センチはある。
しかも白毛
こんなに長い鼻毛を見るのは、初めてのことだ。
「今日まで、この鼻毛はどこをどう這い回っていたのだろう」
自ずとそういう疑問が沸いてきた。
何せぼくは、毎朝鼻毛をチェックしているのだから。

なぜ、ぼくがそれほどまでして鼻毛を気にしているのかといえば、鼻毛でその人のイメージがガラッと変ることもあるからだ。
高校時代、他のクラスに美人と噂されている人がいた。
その噂を聞いて、ぼくもそのクラスに見に行ったことがある。
確かに顔立ちがよく、美人と噂されるのも頷けた。
ある日のこと。
廊下でその子とすれ違ったことがある。
その時、ぼくはその子の鼻から一本の鼻毛が出ているのに気がついた。
その人がきれいだっただけに、ぼくはかなりのショックを受けてしまった。
それ以来、ぼくはその子をきれいだとは思わなくなった。
そういう経緯があるため、ぼくは鼻毛を気にするのだ。

しかし、この鼻毛はどこをどう這い回っていたのだろう。
最近よくくしゃみが出るが、案外この鼻毛が原因だったのかもしれない。
ということは、鼻のかなり上の方に潜り込んで、粘膜を刺激していたわけか。

「さて、この鼻毛をどうしようか」
「こういう記念物のような鼻毛にお目にかかるのは、今回が最初で最後かもしれん」
「保存しておこうかなあ」
そんなことを考えている時、電話がかかった。
受話器を取った瞬間だった。
指で摘んでいた鼻毛は、床に落ちてしまった。
電話が終わった後で探してみたが、何せ床と同系色の白毛である。どこに行ったのかわからない。
しばらく探していたが、ふと「何と馬鹿らしいことをやっているんだろう」と思い、やめることにした。

2003年11月10日、今日は妙に鼻毛が気になる一日だった。