犯罪というのは、犯人が利益を得るために行うものである。
例えば誘拐。
若王寺さん事件がそうだったように、犯人はお金が目的であった。
例えば殺人。
金を得るために殺す者もいれば、精神的な欲求を満たすために殺す者もいる。
彼らは、そういう目的のために殺人を犯し、利益を得る。
犯罪は、利益の法則に動かされていると言ってもいいだろう。
そういったことを考えると、今回の事件は不可解である。
「自衛隊が我々の精神的な重圧になっているので、それを排除する」というのなら、利益の法則も成り立つだろう。
しかし、丸腰の自衛隊を撤退させることで、利益を得る、つまり精神的な重圧から解き放たれるイラク人が、果たしているのだろうか?
それ以外に考えられることと言えば‥‥。
宗教的な欲求が満たされることだろうか?
米軍にダメージを与え、より優位な立場に立つということだろうか?
それとも、金か?
まったくもってわからん。
ところで、事件発生からそう時間も経ってないのに、日本では各地でデモが行われている。
「待ってました」とばかりに、各地の市民団体なるものが動き出したのだ。
それにしても、この短時間に、よくあんなに人を集めたものだ。
まるでこの日にデモをやると、以前から決めていたかのようである。
さて、自衛隊を撤退させることで、利益を得るイラク人がいるのかどうかはわからないが、自衛隊を撤退させることで、利益を得る日本人がいることはわかる。
まさかそういう人たちが、今回の事件を仕組んだわけではないだろう。
が、不可解な事件であるがゆえに、「そういうこともあるのではないか」と、つい思ってしまう。