今日は嫁さんが仕事だったので、朝早く起きて会社まで送り、その足で例の生活習慣改善フォローアップ健診に行った。
さすがに朝早いせいか、人間ドックに入っている人以外の受診者はほとんどいない。
受付けで手続きを取る。
「生活習慣改善フォローアップ健診ですね。・・・。では、こちらからお呼びしますので、ロビーの方でお待ち下さい」
普段ならここで数十分待たされるのだが、今日は受診者が少ないせいで、すぐにお呼びがかかった。
「今日は尿酸の検査ですね。では、最初に採血して下さい」
採血の場所の案内を受け、ぼくはその場所に行った。
そこには若い看護婦が待っていた。
「腕を出してください」と言うので、ぼくは右腕を出した。
「そちらは利き腕ですよねえ?」
「そうですけど」
「じゃあ、左腕にしましょう」
ぼくは彼女に言われるまま、左腕を出した。
ところが、この看護婦、ずっとぼくの左腕をなで回すばかりで、なかなか針を刺そうとしない。
しばらくしてやっと口を開いた。
「あのう…。前回はどちらの腕でやりましたか?」
「右腕ですけど」
「じゃあ、右腕出してください」
どうもこの人は、ぼくの静脈の位置がわからないらしい。
こんなことは初めてである。
今までどちらの腕でやっても、すぐに採血してくれたものだ。
採血が終わった後で、左右の腕を見てみたが、左右ともあまり変わらない位置にあったので、素人のぼくでもどこが静脈かはすぐにわかった。
次に体重を量り、血圧測定に行かされた。
前日、遅くまで起きていたので、もしかしたら正常ではないかもしれない。
そんなことを思いながら、測定を受けていると、担当のおばちゃん看護婦が、突然「ありゃ、生活改善、何もやってないの?」とぼくに言った。
「やってますよ。ちゃんとそこにビールをやめた、と書いているでしょ」
「ああ、ビールやめたのね。で、今は何を飲んでるの・」
「焼酎です」
「それじゃあ、変わらないじゃないの」
「そんなことはないですよ。尿酸値はビールを飲むと高くなるんでしょ?」
「そりゃそうだけど…。あらっ、血圧高いねえ。前回よりずっと高いじゃないの?」
そりゃそうだろう。
血圧を測っている時に、しゃべってくる看護婦がどこにいるだろうか。
「話しかけるけですよ。もう一回やって下さい」
「じゃあ、もう一度測ってみるね」
「お願いします」