頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

眼帯(前)

2,3日前から左目に違和感があった。
最初は目の中がコロコロとして気持ち悪かったのだが、ゴミか何かが入ったのだろうと思い、あまり気にはしなかった。
それからしばらくして、目を閉じた時、まぶたに熱を感じるようになった。
しかし、この時も「よくあること」と思って気にはしなかった。
ところが、それ以降、ちょくちょく目やにが出るようになった。
目薬を注すようになったのは、その時からだ。

そして今日。
朝起きると、上まぶたが重く感じる。
どうしたんだろうと鏡を見てみると、何と、上まぶたが赤く腫れ上がっているではないか。
見えにくいなどとことはないのだが、その部分が気になってしかたがない。
そこで、目薬を注した後に、まぶたを氷で冷やすことにした。
とは言え、今日は仕事だったので、家でゆっくり冷やすというわけにはいかない。
通勤途中、信号待ちの合間を利用して、氷をまぶたに当てていたのだ。
だが、腫れは引かなかった。

会社に着いてから、さっそく目薬を注そうとポケットを探ってみると、入ってない。
氷に気を取られて、家に忘れてきたのだ。
しかたなく、薬局に新しい目薬を買いに行った。
薬局に行くと、H先生はまだ来てなかった。
が、パートさんが来ていたので、その人に見てもらうことにした。
「すいません」
「あ、おはようございます。どうしたんですか?」
「目がちょっとねえ」
「目‥‥?あっ、ホントだ。二重が大きくなってますよ(笑)」
「そうやろ。これにいい目薬ある?」
パートさんは「まぶたの腫れだから、これですね」と、抗菌目薬を取り出した。
「じゃあ、それにする」と言った時、ふと『目薬だけじゃ、心許ないなあ』という思いがよぎった。
『心許ないか‥‥。そうだ、眼帯だ!』
ということで、眼帯もいっしょに買うことにした。

買ったばかりの目薬と眼帯を持って、ぼくは休憩室に行った。
そして、眼帯についていた消毒用のガーゼで目の周りを拭き、目薬を注した。
いよいよ眼帯の装着である。
ぼくは生まれてこの方、眼帯をつけたことがなく、今日が初めての体験だった。
ガーゼを目に当て、眼帯を装着した。
ひもの長さを調整して、さあ出来上がりだ。
たかが眼帯であるが、何せ初めてのことなので、妙に嬉しい気がする。
ところが、すべての作業が終わり、立ち上がった時だった。
その嬉しい気持ちが、一度に吹き飛んでしまったのだ。