頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

会社顛末記(前)

ぼくは前の会社に創業の頃からいた。

その頃は、各社員に「新しい会社を自分たちの手で作るんだ」という意気込みがあった。

そのおかげで仕事に対する充実感があった。

朝早く出ようが、帰りが午前を超えようが、そういうことは一向に苦にならなかった。

いや、苦にならないどころか、逆にそういうことを自慢していたくらいだ。

また、所得もかなり低かったのだが、これも我慢できた。

「今に人並み以上の収入を得られるようになる」

みな一様に、会社の将来を期待していたのだ。

当時の社員の平均年齢23,5歳、個性派揃いでいつも社内はいつもにぎやかだった。

が、人間関係はさほど悪くはなかった。



ところが、1年経ち2年経っていくうちに、だんだん状況が変わっていった。

いつまで経っても収入は上がらない。

それが会社不信に繋がっていく。

創業当初、いっしょに汗を流した仲間が一人減り二人減りしていった。

気がつけば、百数十人いた社員は半減していた。

会社にとっては、それはふるいにかけたということになり、プラスの要素だった。

しかし、戦力ダウンは、当然売上げに響いてくる。

不採算部門は次々と閉鎖、それがまた会社の魅力を損なうことになる。



その後、さらに社員数は減り、往時の3分の1の人員になった。

こうなると一人あたりの責任が重くなってくる。

個人単位での数字の追求が始まる。

いつしか会社は、「成績の悪い者は、自分で買え!」「売る気のない人は、辞めてもらってけっこうです」といった言葉を、普通に口にするようになった。

トップの威を借りた卑怯な上司は、かばうことをせずに、逆に口汚く部下を罵る。

会社の雰囲気は最悪なものとなった。



その状態に、さらに追い打ちをかけたのが、管理である。

初代のトップは、売上げ以外のことに関しては一切文句を言わなかった。

だから社員は、売上げの確保さえして入ればよかったのだ。

ところが二代目は違った。

それまで『是』とされていたものが、すべて『非』とされるようになったのだ。

この人は管理畑出身の人で、売上げよりも『収益』『売掛』『在庫』といった管理面を重視するタイプの人間だった。

そういうことに関しては実に細かかった。

そのために専門の調査員を雇ったりもした。

売上げがよかったらよかったで「裏で何かやっているんじゃないか」と穿さくするし、何か問題を起こせば全体朝礼の場で「悪人」呼ばわりするしで、社員はいつも戦々兢々としていた。