頑張る40代!

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柔道談話(前)

ソウルオリンピックの時だったと思うが、日本があまりにメダルを取れなかったのを嘆き、次の歌を作ったことがある。
『まただめか オリンピックにケチがつく さすがにほんの 足は短し』
あのオリンピックで日本は、金メダルが4つだけというさんざんな結果だった。
その中でも特に調子の悪かったのが、お家芸の男子柔道だった。
来る日も来る日も金メダルは取れず、ようやく金を取ったのは、柔道最終日、95㎏超級の斉藤仁だった。
あの時、斉藤は表彰台上でわんわん泣いていた。
それだけプレッシャーがかかっていたのだろう。

今日、その斉藤の愛弟子である鈴木桂治が優勝した。
ソウル大会以来、実に16年ぶりのことだという。
その間、前回シドニー大会の篠原のような不運もあったから、今回の優勝は格別なものがある。

今大会を見てぼくが思ったことは、『やはり一本を取りに行く柔道は強い』ということだ。
鈴木だけではなく、今回の大会の日本人選手は、勝った選手も負けた選手もみな背筋を伸ばし、堂々と試合をしていた。
いくら小刻みにポイントを稼いでいっても、一本には勝てないのだ。
そのことを今回出場した外国の柔道関係者は、身にしみてわかったことだろう。

しかし、このごろの柔道は、「えっ、あんなので一本?」というのが実に多い。
ぼくは高校時代に柔道をやっていたのだが、その頃、『寝技を防いで立ち上がろうとしたところを押し倒して一本』などということはなかった。
そいうのは一本どころか、効果もとれなかったのだ。
それで一本になるのなら、ぼくは高校時代何勝もしていただろう。
なにせぼくは、相手を『投げる』よりも、『こかす』ほうが得意だったのだから。

今のところぼくの生涯最後の試合になっている、金鷲旗全国高校柔道大会でのこと。
うちの高校は一回戦で、あの山下泰裕のいた東海大相模に負けるまで勝ち進んだK高校と対戦した。
うちの高校は、こちらが言いもしないのに『目標は一回戦突破です』と地元の西日本新聞に書かれたほどの弱い学校だった。
普通の学校なら、こう書かれると「なにくそ!」と発憤するものだが、我が校柔道部に限ってはそんなことはなかった。
「しんた、おまえ『目標は一回戦突破です』とか言うたんか?」
「言うわけないやろ。記者が勝手にそう書いたんたい。おれなら、『目標は、電車に乗って試合場に行くことです』と言うわい」
「そうやろうのう、おまえならそう言うやろ。しかしおかしいのう、しんたの得意技が跳腰になっとるぞ」
「えっ、跳腰ちゃどんな技か?」
という会話が飛び交ったのだった。