頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

寒波

今季最大と言われている寒波も、今日で3日目である。
こここの寒波の間、ぼくは普段やらない倉庫の整理などをやっている。
倉庫にはもちろん暖房設備などはない。
屋根と壁があるだけで、ほとんど外である。
そのため、さすがに寒い。
だが、そこで長い時間作業をやっていると、だんだん寒さに慣れてくる。
体がいったん慣れると、後は動いた分だけ暑くなる。
最後には上着を脱いだりもしている。
しかし、ちょっとでも暖房の効いた店内に入ると、もうだめである。
すぐに体は、その暖かさになびいてしまう。
そうなると、次に外に出た時にかなり応える。

さて、その倉庫での作業中に、ぼくはこんなことを考えていた。
「この地球上には、年中マイナス数十度の寒さの中にある国もあるが、その国の人がもし日本に来た時、今回の日本の寒さをどう思うのだろうか?
やはり日本人と同じように、寒いと感じるのだろうか?
それとも暖かい、いや暑いと感じるのだろうか?」と。

前にある友人から、こういうことを聞いたことがある。
その友人は大学に在籍していた頃、福岡市内の寮に住んでいた。
その寮に新潟出身の人がいたという。
ある冬の寒い日に、友人がこたつの中で縮こまっていると、その新潟人は「九州は暑い」と言って、半袖一枚になっていたという。

それを聞いた時、ぼくは「なるほど」と思ったのだが、後で考えてみると、どうもしっくりこない。
いくら新潟が福岡より北に位置した豪雪地帯だといっても、同じ日本の中なのである。
寒さの感じ方もさほど変るとは思わない。
であれば、その新潟人は、福岡だからという理由から暑く感じたわけではないだろう。
寒さに対する感覚が、その友人と違っていただけのことなのだ。
もしかしたら、自分が北国育ちであることを自慢したくて、そんな強がりを言ったのかもしれない。

ぼくが東京にいた時、福島喜多方出身の友人がいた。
喜多方は、新潟から山一つ隔てた場所にある。
その友人は、ぼくよりもずっと寒がりだった。
ぼくが寒いと感じる日はもちろん、さほど寒く感じない日でさえ「寒い、寒い」と言っていた。
このことからも、北国育ちだから寒さを感じない、というわけではないことがわかる。

その彼を見て思ったことがある。
それは、寒さに対しての取り組み方が、九州人とは違っていたということだ。
さすがに東北人は、寒さへの対策が充分に出来ている。
九州人は寒ければ、ただジャンバーやコートを羽織るだけで、下半身は無防備な人が多い。
そのため、保温バランスがうまくいかない。
つまり、上半身は温かいが下半身は寒いということになり、全体として寒く感じるのだ。
そのせいで、ぼくのように「冬は苦手」という人が多くなるのだろう。
その点、東北人は下半身部分も、ズボン下をはくなどして、防寒対策を充分にやっている。
そうすることによって、保温バランスをうまく取っているわけだ。
体温がほぼ均一になるから、体に感じる寒さも均一になる。
それで寒さに耐えられるようになるのだろう。

最初の疑問に戻るが、はたして、いつもマイナス数十度の中で生活している人が、今回の日本の寒さに触れた時、「暑い暑い」と言って、半袖と短パンだけで、街を闊歩することが出来るだろうか。
ぜひとも、それを知りたいものである。
しかし、それを確かめるためといって、わざわざ寒いところに赴くことをぼくはしたくない。
なぜなら、ズボン下をはく習慣がないので、保温バランスが取れないからだ。