頑張る40代!

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漢字のこと(下)

【漢字を発明したのは日本人?】
10年ほど前に、『漢字を発明したのは日本人だった!』という本が話題になったことがある。
何でも、甲骨文字を作ったのが日本人の先祖で、その当時は彼らが大陸を支配していたというものだった。
甲骨文字は、漢字のもとになった文字だと言われているが、漢字ではその甲骨文字を解釈できないのだそうだ。
ところが、それを日本の神代文字で読むと、ちゃんと文章になるのだという。
だから漢字を発明したのは日本人である、といった内容の本だった。

そこには面白いことが書かれていた。
中国春秋戦国の頃に『斉』という国があった。
これを旧字で書くと『齊』となるが、この文字をばらして、神代文字で読んでみると『いづも』と読めるらしい。
『いづも』、そう『出雲』である。
斉と出雲は歴代の王の数も一致するし、同じような国譲りの話もあるという。
決して斉の歴史を、日本の出雲が真似たのではない。
なぜなら、その当時の斉つまり出雲は、大陸から日本列島にかけて広域な範囲を支配していたからで、同じ歴史を記録しているのだという。
ということで、日本神話にある出雲の国譲りの話は、すなわち中国の斉で起こったことで、どこに譲ったのかというと、始皇帝で有名なあの『秦』の国であったというのだ。

ま、興味のある人は読んで見て下さい。


神代文字
神代文字と言われても、ピンとこない人がいるかもしれない。
これは漢字が我が国に伝わって来る以前に使われていた、我が国独自の文字で、トヨクニ文字、アヒルクサ文字、ホツマ文字など数種の文字がある。
ちなみに、カタカナのもとになったのは漢字ではなく、実はこの神代文字だと言われている。

まあ、この神代文字のことは、その筋の本がいくつも出ているので、詳しく説明するのは避けることにする。


【開】
先の『漢字を発明したのは日本人だった!』ではないが、漢字を見ていると、時々「はて、こういうものが中国にあったのか?」「これは日本の文化ではないのか?」という文字にお目にかかることがある。
その代表が『開』という文字である。
『開』、漢字源の解字では『門のかんぬきを両手ではずして、門をあけるさま、または「門+幵(平等に並んだ姿)」で、とびらを左右平等にひらくことを示す』となっている。

ちょっと待ってほしい。
この解釈は、どうもこじつけのような気がしてならない。
門の中にあるのは、平等に並んだ姿となっている。
その並んだものは扉だといっているが、扉が平等に並んでいるのなら、それは閉じているということになりはしないだろうか。
閉じているものを、どうして開くと読ませるのだろう。

ぼくに言わせれば、門の中にあるのは、平等に並んだ姿でも何でもない。
日本人なら誰でもわかることだが、あれは鳥居である。
門というのは、すなわち神社の入り口に配置された、狛犬や旗のたぐいである。
そこを通り過ぎると鳥居がある。
そこから先は、神域である。
つまり『開』というのは、神域の開示を表した文字なのである。

神代文字で解釈する方法もあるだろうが、神代文字を知らないぼくたち素人には敷居が高すぎる。
こういう身近なところから、「漢字を作ったのは日本人だ!」という証明が出来ないものだろうか?
もしそれが出来たとしたら、日本の、いわゆる謎の古代史も開示されると思うのだが。