頑張る40代!

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

ぼくの食生活(中)

確か、ぼくが幼い頃は、まだ玉子は贅沢品だったような覚えがある。
そのせいかどうかは知らないが、茶碗一杯のご飯に玉子をかけてしまうと、その贅沢な風味が消えてしまい、もったいないような気がするのだ。
よく大盛りのご飯に玉子をかけて食べている人を見かけるが、ご飯に色が付いているだけで、味のほうは「玉子味がちょっとする」程度しかないように思える。
やはり玉子かけご飯は、玉子の中にご飯粒が浮かぶくらいでないと、本当のおいしさは出ないだろう。

さて、その玉子だが、最初はスーパーで売っているもので事足りていた。
ところが1ヶ月ほど前のこと。
母が知人からもらったという玉子を分けてもらったことがある。
それがおいしいのだ。
玉子をぼくほどは食べない嫁ブーも、この味には感動した様子だった。

「同じ玉子なのに、どこが違うのか?」
そんな疑問を抱いたぼくたち夫婦は、ある時母に尋ねてみた。
「これは貴黄卵という玉子で、栄養価が高いらしいよ」
「貴黄卵か。で、どこで売りよると?」
「買いに行くんね?」
「うん。おいしいもん」
「確か鞍手とか言いよったけどねえ」
「鞍手?」
「うん。そこで生産直売しよるらしいんよ」

「そうか、鞍手かあ…」
買いに行ってもいいと思っていたのだが、鞍手となると、ちょっと事情が変わってくる。
北九州市の隣で、近場は近場なのだが、ぼくは詳しく道を知らないのだ。
かつて鞍手にある長谷観音に行った時、道に迷ってしまって、何時間も山道を走っていたことがある。
その記憶が蘇る。

そこで、地図で場所を確認してから行くことにしようと思い、ネットでその『貴黄卵』というのを調べてみた。
そこには住所と電話番号が書かれていた。
が、肝心の地図がない。
こうなったら、直接地図で調べようと、Yahoo!の地図を見てみた。
しかし、Yahoo!の地図はゼンリンの住宅地図ではないのだ。
さすがに番地までは載っていなかった。

まあ、電話番号が書いてあるので、そこに電話すればわかるのだろうが、とにかく不慣れな土地であるがゆえに、「そこに○○美容室があるから、そこを右に曲がって…」などと説明されてもピンとこないのは目に見えている。
ぼくは半ば諦め気分で、「しかたない、今回は諦めるか」と嫁ブーに言った。
「ちょっと待って、鞍手やろ。確かうちの会社にゼンリンの地図があったよ」
「そうか」
「うん」
「じゃあ、コピー取ってきてくれ」
「いいよ」
ということで、翌日嫁ブーはゼンリンのコピーを持って帰ってきた。