今日は休みだったが、これと言って予定もない。
ということで、疲れを癒すために、家にいることにした。
朝起きてから、先日買ったこたつの中でゴロゴロして、テレビを見ていた。
ところが、今日は寒かった。
こたつではどうも物足りないのだ。
そこで、昼から灯油を買いに行くことにした。
出かける前に、まず店を決めなければならない。
ある人から、今年の灯油の相場は1缶(18リットル)1300円くらいだと聞いていた。
毎年買っている米屋は、いつも相場以下で売っているから、まだ安いはずだ。
そこで、電話を入れてみると、案の定安かった。
1098円である。
もっと安いところはないかと思って探してみたが、近くのホームセンターは1100円、いつもガソリンを入れているスタンドは1230円だった。
ということで、今年も灯油は米屋で買うことにした。
さっそく灯油缶を用意して、米屋に向かった。
買ったのは5缶で、家が1缶、実家が4缶である。
灯油を買う時は、いつも実家の分もいっしょに買うことにしている。
別々に買っていると、その都度店に行かなければならないので面倒だからである。
しかし、灯油は重い。
家はエレベータがあるからまだしも、実家にはそれがない。
男手はぼくしかないから、当然運ぶのはぼくの仕事である。
実家は団地の3階だ。
4缶だから、そこを2往復しなければならない。
初回はそれほどでもないが、2回目が地獄である。
初回の運搬を終え、階段を下りる時には、すでに膝にきている。
その状態で2回目を運ぶものだから、上手くバランスが取れない。
それでも我慢して階段を上っていく。
だが、方向を転換するたびに灯油缶に振り回されてしまう。
あげくに壁にぶつかったり、灯油がこぼれてたりしてしまう。
さらに、3階に着いた時には、動悸と息切れがしてしまう。
時には気分が悪くなることもあるのだ。
それが嫌でガスファンヒーターに変えようと思ったこともある。
ガス会社のチラシが入っていると、目を凝らして見ていたものだ。
値段はそこそこで、工事代もそうかからないようだ。
そこで、実際にガスファンヒーターを使っている人に、使い勝手を聞いてみた。
ところが、その人から意外なことを聞いた。
ガスは高くつくと言うのだ。
そこで、ガス器具を取り扱っている取引先に聞いてみると、「その通りです」と言う。
「冬場はただでさえガス代が上がるでしょう?」
「そうやねえ。冬場はえらく高くなるよね。ひどい時には普段の3倍近くなることもある」
「そうでしょ」
「その冬場にガス代の増えた分と、灯油ひと月分と、どちらが高いですか?」
「ガスの方やね」
「そうでしょ。冬場にガス代が高くなるのは、湯沸かし器や風呂で夏場よりちょっと多めに使うからなんです。そのちょっとが、あの金額になるんですよ。ファンヒーター使用すると、その分も加算されるわけでしょ。しかも、ファンヒーターの場合、使うのはちょっとじゃないですよね」
「なるほどね。でも、関東や関西の人は、けっこう多くの人が使いよるみたいやん」
「関東や関西の方はガスが灯油並みに安いんですよ」
「えっ、何で? 同じガスやん」
「よくわからないけど、きっと人口が多いからでしょうね」
ということで、ガスファンヒーターを断念したのだった。
さて、これから約半年の間、灯油缶と戦わなければならない。
すでに気が遠くなっている。