今日も残業だった。
これまでやってきた販売という業務と違って、肉体労働の残業というのはホント応える。
例えば、販売の場合は「切りのいいところでやめて帰ろう」ということが出来たのだが、今の仕事はそれが出来ない。
とにかく、その日の仕事はその日に終わらせておかなければ、翌日は収拾がつかなくなる。
そのため、体を駆使して、なるべく早く仕事を終わらせようとする。
その焦りが事故に繋がったりするわけだが、今日ぼくはちょっとした事故に遭ってしまった。
夕方のことだった。
そこまでで、今日の仕事の3分の2くらいしか消化出来ていなかった。
このままだと5日連続の残業になってしまう。
そこで焦りが出た。
店に配達した荷物を降ろそうとして、いつものようにトラックの荷台に飛び乗った。
ところが勢いがつきすぎてしまい、荷台の床に這わしてあるローラーに足を取られ、そのまま荷台の下に転落した。
その時、右足のふくらはぎを仕切でしたたか打ってしまったのだ。
一瞬息が止まるくらい痛かった。
まあ、そのせいで立てなくなるといったことはなかったのだが、おそらく肉離れでもしているのだろう、痛みで右足に力が入らずうまく歩けない。
しかし、そこで仕事をやめるわけはいかない。
とにかく、今日の仕事をすべて消化しなくてはならないのだ。
ここで挫折したら、他の人に迷惑がかかる。
そこでぼくは、うまく歩けないのに、無理矢理うまく歩くふりをして、今日の仕事を終えたのだった。
家に帰ってからも痛みは治まらなかった。
そこで、すぐに患部を湿布してサポーターを巻いたのだが、その間「明日の仕事に差し支えないだろうか」ということばかり考えていた。
とにかく、明日は明日の仕事を消化しなければならないのだ。