113日の午前中、母と伯母を連れ、父方と母方の墓参りに行った。
墓といっても、墓地に行ったわけではない。
どちらもお寺の納骨堂である。
父方のお寺は、市外にあるためそうでもなかったのだが、問題は母方の方だった。
区内で土地が高いためなのか、駐車場が確保できていない。
そのため、五台も駐まればすぐに満車である。
ということで、駐車場が空くまで、待たされることになった。
しかし、いつ空くのかわからない駐車場を待っていても、時間の無駄だ。
そこで、とりあえず母と伯母に先に行ってもらい、ぼく一人車に残ることにした。
その間、強い日差しが車内に、容赦なく差し込んでくる。
そのせいで、エアコンがまったく効かず、ほとんど扇風機状態だった。
窓を開けても風は吹かず、汗がどんどん流れてくる。
Tシャツはもちろん、パンツのほうもビショビショになっている。
その汗に反応したのだろうか、急に尿意を催してきた。
だが、ここでトイレに行くわけにはいかない。
ぼくの車の他、あとから来た何台かの車が駐車場待ちをしているのだ。
もしここでぼくが車から降りてしまうと、駐車場が空いた時に先を越されてしまう。
そこで我慢することにした。
15分ほど待っただろうか。
ようやく、駐車場から車が一台出てきた。
ぼくはすかさず車を動かし、車を駐めた。
そしてお寺の中にあるトイレへと直行したのだった。
トイレに着いたぼくは、さっそく便器の前に立って、ズボンのチャックを開けた。
そして、前あきパンツの「開き」の部分に手をやった。
「えっ!?」
出ないのだ。
いや、小便が出ないのではない。
どこを探しても、前開きパンツの「開き」の部分がないから、出せないのだ。
最初は汗でパンツが濡れていたせいで、生地同士がくっついていると思ってい、縫い目のところを指でたどってみた。
だが、やはりない。(続く)